【第3回】「クラウド」と「オンプレミス」どちらを選ぶ?~学校に合った選択とは~

学校のシステムを更新・導入するとき、必ず出てくるのが「クラウドにしますか?それともオンプレミス(自校設置)にしますか?」という選択です。
「クラウドって何となく便利そうだけど、セキュリティが心配…」
「今までずっとオンプレミスだったし、慣れているからそれでいいんじゃ?」
「業者に言われるがまま選んでしまった…どっちが正解?」
「どちらが優れているか」という問いに正解はありません。大切なのは「自校の状況に合っているか」という視点です。今回はその判断軸を整理します。
そもそも「クラウド」と「オンプレミス」の違いは?
まず言葉の意味を整理します。難しそうに聞こえますが、身近な例で考えれば一瞬で分かります。
クラウドとオンプレミスの特徴比較
比較項目 | クラウド | オンプレミス |
|---|---|---|
初期費用 | ◎ 低い(月額制 | △ 高い(一括購入) |
運用・保守 | ◎ 業者に任せられる | △ 自分たちで管理 |
カスタマイズ性 | △ 制限あり | ◎ 自由度が高い |
障害時の対応 | ◎ 冗長構成により自動復旧が多い | △ 自前対応 |
インターネット依存 | △ 回線が必要 | ◎ 回線なしでも動く |
セキュリティ更新 | ◎ 自動で最新状態に | △ 自分で適用が必要 |
場所を選ばずアクセス | ◎ どこからでも利用可能 | △ VPN等が必要 |
「クラウドが当たり前」と言われる理由
近年、国の方針でも学校のクラウド活用が強く推進されています。なぜここまでクラウドが重視されるのでしょうか。理由は大きく3つあります。
理由 | 01 |
IT担当者がいなくても回る
サーバーの物理的な管理・故障対応・バックアップが業者側の責任になります。専任のICT担当がいない小規模校でも安心です。
理由 | 02 |
テレワーク・在宅対応ができる
校内ネットワークに縛られず、自宅からでも同じデータにアクセスできます。ゼロトラスト環境とも相性抜群です。
理由 | 03 |
常に最新・安全な状態を保てる
セキュリティパッチの適用や機能アップデートが自動で行われます。「脆弱性が放置されたまま」という状況が起きにくくなります。
代表例:GIGAスクールのクラウドサービス
Google Workspace for Education PlusやMicrosoft 365 Educationは、どちらも学校向けのクラウドサービスの代表格です。GIGAスクール構想の端末とセットで導入している学校が多く、授業・校務・コミュニケーションがすべてクラウド上で完結します。
それでも「オンプレミスが必要」なケースがある
クラウドが有利な面が多い一方で、オンプレミスが合理的な場面もあります。「クラウドが絶対正解」という思い込みは禁物です。
オンプレミスが合理的な場面 1
機密性の高いデータを扱うシステム |
マイナンバーや住民情報など、法令上インターネットに接続できないネットワークで扱う必要があるデータは、オンプレミスまたは閉域ネットワーク上での管理が求められます。 |
オンプレミスが合理的な場面 2
インターネット回線が不安定な地域 |
クラウドはインターネット接続が前提です。回線が細い・不安定な地域では、クラウドサービスが授業中に使えなくなるリスクがあります。この場合、重要な機能はオンプレミスに残す判断が現実的です。 |
オンプレミスが合理的な場面 3
独自の業務フローに深くカスタマイズしているシステム |
長年使い続けてきた独自仕様のシステムは、クラウドに移行すると使えない機能が出てくることがあります。移行コストと運用コストを十分比較する必要があります。 |
結論
「クラウドかオンプレミスか」ではなく、
「何のシステムを、誰が、どう使うか」で決める
学習系・コミュニケーション系はクラウド、行政系・機密データはオンプレミス(または閉域)——というように、システムの種類ごとに使い分ける「ハイブリッド構成」が多くの学校・自治体にとって現実的な答えです。
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